統計コンサルの議事メモ

統計や機械学習の話題を中心に、思うがままに

人工知能と機械学習とDeep Learning

人工知能(AI)による業務改革!」「Deep Learningを搭載した○○!」みたいな記事は巷に溢れかえっているが、そういった記事を見るにつけ思うのが「人工知能機械学習、Deep Learningなどのアルゴリズムの区別ってどうなっているんだろう?」ということである。自分で機械学習アルゴリズムを触ったことがあればわかるかと思うのだが、現在世間で言われているところの「人工知能」とは、「自律的な思考を行う」だとか「知性を獲得した」だとかそういったものでは全くなく、Deep Learningもそのための特殊なアルゴリズムというわけではない。

この辺りの関係性をもう少しスッキリと説明できないかなーと考えていたところ、以下の記事を発見した:

blog.algorithmia.com


またDeep Learningの大家であるモントリオール大学のBengioも同様に整理している:

http://www.deeplearningbook.org/contents/intro.html


私の人工知能に対する認識も上記と同じで(権威に阿ることにする)、Deep Learningは機械学習の中の1アルゴリズム(いわゆる「弱いAI」)として理解している。そのためDeep Learningを指して「人工知能」と称することにはかなりの抵抗がある。もしそれが成り立つなら、同じく機械学習の1アルゴリズムである(例えば)Random Forestを指して「人工知能」と呼んだって良いわけで、それならば決定木だってアリということになるだろうし、さらには線形回帰だって機械学習の1アルゴリズムとして捉えれば「人工知能」となってしまうだろう(もしかしたら実際に線形回帰程度のものを人工知能と謳っているところがあるかもしれない)。

人工知能による〜〜」という言葉に惑わされず、内容を吟味した上で評価することを心がけたい。